ATAN2関数:XY座標からアークタンジェント(逆正接)を取得する
ATAN2 関数は Excel で用意されている関数の一つで、指定したX座標とY座標の値からアークタンジェント(逆正接)を取得します。ここでは Excel における ATAN2 関数の使い方について解説します。
※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013 2010 2007
※ 公式サイトでの解説 : ATAN2 関数
(2021 年 09 月 30 日公開 / 2021 年 09 月 30 日更新)
ATAN2関数の使い方
ATAN2 関数は指定したX座標とY座標の値からアークタンジェント(逆正接)を取得します。
ATAN2(x座標,y座標)
アークタンジェント(逆正接)はタンジェントの逆関数です。タンジェントは角度から数値を取得しますが、アークタンジェントは引数に指定した X 座標と Y 座標からタンジェントの値を計算し、その数値から角度を取得します。図で表すと次のような角度 Θ を取得します。
ATAN2 関数の引数に指定した X 座標および Y 座標が表す点と原点を結んだ直線に対する X 軸との間の角度を取得します。
ATAN2 関数の戻り値の角度は -π から π の範囲となります。
=ATAN2(1,1) --> 0.785398163 =ATAN2(1,3) --> 1.249045772
アークタンジェントはタンジェントの逆関数なので、 ATAN2 関数で取得した角度を TAN 関数の引数に指定すると、 ATAN2 関数の引数に指定した値 x と y を使った x/y を取得することができます。
=TAN(0.785398163) --> 0.999999999 =TAN(1.249045772) --> 2.999999996
※ TAN 関数について詳しくは「TAN関数:タンジェント(正接)を取得する」を参照されてください。
ATAN2関数のサンプル
それでは実際に ATAN2 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。
結果を表示する D3 セルに次のように ATAN2 関数を入力します。 1 番目の引数に X 座標の値が入力されたセルを指定します。 2 番目の引数に Y 座標の値が入力されたセルを指定します。
=ATAN2(B3,C3)
Enter キーを押すと、 D3 セルには次のように表示されます。
D4 および D5 セルについても同じように ATAN2 関数を入力しました。
取得した角度の単位はラジアンです。ラジアン単位の角度を度単位に変換するには DEGREES 関数を使用します。詳しい使い方は「DEGREES関数:ラジアン単位の角度を度単位に変換する」を参照されてください。
関数の挿入を使ってATAN2関数を入力する
ATAN2 関数を入力する場合に関数の挿入を使って行う方法を試してみます。関数を挿入するセルをクリックして選択したあとで、関数の挿入をクリックします。
「関数の挿入」ダイアログが表示されたら関数名のところで「ATAN2」をクリックしてください。そのあとで「OK」をクリックしてください。
「関数の引数」ダイアログが表示されたら、 1 番目の引数にアークタンジェントを取得する X 座標の数値が入力されたセルを指定します。 1 番目の引数を入力するテキストボックスをクリックして選択してから引数に入力するセルを Excel 上でクリックして下さい。
ダイアログの引数のところに先ほど選択したセルが表示されます。
次に 2 番目の引数にアークタンジェントを取得する Y 座標の数値が入力されたセルを指定します。 2 番目の引数を入力するテキストボックスをクリックして選択してから引数に入力するセルを Excel 上でクリックして下さい。
ダイアログの引数のところに先ほど選択したセルが表示されます。
引数の指定が終わると結果としてセルに表示される値も表示されます。最後に「OK」をクリックしてください。
最初に選択したセルに ATAN2 関数が入力され、引数に指定した X 座標と Y 座標の数値からアークタンジェントを取得した結果がセルに表示されます。
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Excel における ATAN2 関数の使い方について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura )

著者 / TATSUO IKURA
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