CSC関数:コセカント(余割)を取得する

CSC 関数は Excel で用意されている関数の一つで、指定した角度のコセカント(余割)を取得します。ここでは Excel における CSC 関数の使い方について解説します。

※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013

(Last modified: )

CSC関数の使い方

CSC 関数は指定した角度のコセカント(余割)を取得します。(コセカントは Excel における関数名としては CSC ですが、一般的には CSC よりも COSEC と記載されることが多いように思います)。

CSC(角度)

引数に角度をラジアン単位で指定します。戻り値としてコセカント(余割)を返します。

コセカント(余割)とはサイン(正弦)の逆数で、次のように定義されるものです。

CSC関数のサンプル(1)

角度はラジアン単位で指定します。度単位で 180° はラジアン単位で π = 3.141592654・・・ です。例えば 60° なら 3.141592654 / 6 = 0.523598776 を、 45° なら 3.141592654 / 4 = 0.785398164 を指定してください。

度単位ラジアン単位
30π/6 (=0.523598776)
45π/4 (=0.785398163)
60π/3 (=1.047197551)
90π/2 (=1.570796327)
180π (=3.141592654)
3602π (=6.283185307)

CSC の場合は 0 、 π 、 2π の値は定義されません。

よってラジアン単位の値で直接指定する場合、度単位で 30° の CSC を取得するには CSC(0.523598776) と取得し、 45° の CSC を取得するには CSC(0.785398163) と取得します。

=CSC(0.523598776)
--> 1.999999999

=CSC(0.785398163)
--> 1.414213563

コセカント(余割)とはサイン(正弦)の逆数のため、次のように取得することもできます。

=1/SIN(0.523598776)
--> 2

=1/SIN(0.785398163)
--> 1.414213563

SIN 関数について詳しくは「SIN関数:サイン(正弦)を取得する」を参照されてください。

度単位の角度を引数に指定する

Excel では RADIANS 関数を使って度単位の角度をラジアン単位に変換することができます。

RADIANS(角度)

よって度単位で 30° の CSC を取得するには CSC(RADIANS(30)) と取得し、 45° の CSC を取得するには CSC(RADIANS(45)) と取得します。

=CSC(RADIANS(30))
--> 2

=CSC(RADIANS(45))
--> 1.414213562

RADIANS 関数について詳しくは「RADIANS関数:度単位の角度をラジアン単位に変換する」を参照されてください。

また Excel では π (=3.141592654) は PI 関数を使って次のように取得することができます。

PI()

よって度単位で 30° の CSC を取得するには CSC(PI()/6) と取得し、 45° の CSC を取得するには CSC(PI()/4) と取得することもできます。

=CSC(PI()/6)
--> 2

=CSC(PI()/4)
--> 1.414213562

PI 関数について詳しくは「PI関数:円周率を取得する」を参照されてください。

CSC関数のサンプル

それでは実際に CSC 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

CSC関数のサンプル(1)

結果を表示する D3 セルに次のように CSC 関数を入力します。引数にラジアン単位の角度が入力されたセルを指定します。

=CSC(C3)

CSC関数のサンプル(2)

Enter キーを押すと、 D3 セルには次のように表示されます。

CSC関数のサンプル(3)

D4 セルおよび D5 セルについても同じように CSC 関数を入力しました。

CSC関数のサンプル(4)

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する

CSC 関数を使ってコセカントのグラフ y = cosecθ を作成してみます。まず角度として -180° から 540° まで 30° 間隔で入力しました。(なお CSC では先ほどの範囲内で -180° 、 0° 、 180° 、 360° 、 540° のときは定義されませんのでご注意ください)。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(1)

度数単位で指定した角度に対する CSC を取得するため =CSC(RADIANS(角度)) と入力します。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(2)

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(3)

同じ計算式を他のセルにも入力していきます。(ただし -180° 、 0° 、 180° 、 360° 、 540° に対する計算式は空欄としてください)。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(4)

それではグラフを作成します。作成したデータをすべて選択してください。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(5)

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(6)

「挿入」タブをクリックしてください。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(7)

リボンが表示されたら「グラフ」グループの中の「散布図(X,Y) またはバブルチャートの挿入」をクリックしてください。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(8)

表示されたグラフの一覧の中から「散布図(平滑線)」をクリックしてください。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(9)

CSC 関数を使って y = cosecθ のグラフが作成できました。

CSC関数を使ってコセカントのグラフを作成する(10)

※ Excel で散布図のグラフを作成する方法について詳しくは「散布図の使い方」を参照されてください。

-- --

Excel における CSC 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

Profile
profile_img

著者 / TATSUO IKURA

プログラミングや開発環境構築の解説サイトを運営しています。