IRR関数:キャッシュフローから内部収益率を算出する

IRR 関数は Excel で用意されている関数の一つで、キャッシュフローから内部収益率(内部利益率)を算出する場合に使用します。ここでは Excel における IRR 関数の使い方について解説します。

※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013 2010 2007

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IRR関数の使い方

IRR 関数はキャッシュフローから内部収益率を算出する場合に使用します。

IRR(範囲,推定値)

1 番目の引数にはキャッシュフローの値が入力されている配列やセル範囲を指定します。記載された順番にキャッシュフローが毎期発生するものとして扱われ、先頭には投資した金額を負の値で指定してください。

2 番目の引数には内部収益率の推定値を指定します。省略した場合は 10% が指定されたものとして扱われます。

内部収益率とは正味現在価値がちょうど 0 になるような割引率のことです。正味現在価値については「NPV関数:キャッシュフローと割引率から投資の正味現在価値を算出する」を参照されてください。

実際の利用方法はこのあとのサンプルで解説します。

IRR関数のサンプル

それでは実際に IRR 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

IRR関数のサンプル(1)

内部収益率を表示する B3 セルを選択し、次のように入力しました。 IRR 関数の 1 番目の引数に各期で発生するキャッシュフローが入力されたセル範囲 C6:C10 を入力します。

=IRR(C6:C10)

IRR関数のサンプル(2)

Enter キーを押すと、 B3 セルには次のように表示されます。

IRR関数のサンプル(3)

内部収益率が 3.466% であることが分かりました。

確認のため、先ほど算出した 3.466% を割引率とした場合に、正味現在価値が 0 となるのか確認してみます。正味現在価値を表示する C3 セルを選択し次のように入力しました。

=NPV(B3,C6:C10)

IRR関数のサンプル(4)

Enter キーを押すと、 C3 セルには次のように表示されます。

IRR関数のサンプル(5)

内部収益率として取得した値を割引率とすることで、正味現在価値が 0 となることが確認できました。

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Excel における IRR 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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