COVARIANCE.S関数:2つのデータ群を標本とみなして共分散を取得する

COVARIANCE.S 関数は Excel で用意されている関数の一つで、 2 つのデータ群の共分散を取得します。 COVARIANCE.S 関数は 2 つのデータ群を標本とみなして共分散を取得する場合に使用します。ここでは Excel における COVARIANCE.S 関数の使い方について解説します。

※ データ群を母集団全体とみなす場合は COVARIANCE.P 関数を使用します。詳しくは「COVARIANCE.P関数:2つのデータ群の共分散を取得する」を参照されてください。

※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013 2010

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COVARIANCE.S関数の使い方

COVARIANCE.S 関数は 2 つのデータ群の共分散を取得します。 COVARIANCE.S 関数は 2 つのデータ群を標本とみなして共分散を取得する場合に使用します

COVARIANCE.S(配列1,配列2)

1 番目の引数および 2 番目の引数にそれぞれデータが入力されたセル範囲を指定します。戻り値として 2 つのデータ群の共分散を取得します。

共分散は次のように算出することができます。( COVARIANCE.P 関数の場合は上、 COVARIANCE.S 関数の場合は下となります)。

CORREL関数の使い方(1)

共分散の値が正の大きな値となった場合は、片方の値が高くなるともう片方も値も高い傾向があることを示します。逆に共分散の値が負の大きな値となった場合は、片方の値が高くなるともう片方の値がは低い傾向があることを示しています。共分散の値が 0 に近い場合は 2 つの値に関係性がないことを示しています。

実際の使い方はこのあとのサンプルで解説します。

COVARIANCE.S関数のサンプル

それでは実際に COVARIANCE.S 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

COVARIANCE.S関数のサンプル(1)

取得した共分散を表示する F3 セルを選択し、次のように入力しました。 COVARIANCE.S 関数の 1 番目の引数にセル範囲の C3:C8 を指定します。 2 番目の引数にセル範囲の D3:D8 を指定します。

=COVARIANCE.S(C3:C8,D3:D8)

COVARIANCE.S関数のサンプル(2)

Enter キーを押すと、 F3 セルには次のように表示されます。取得した共分散の値は負の大きな値となりました。

COVARIANCE.S関数のサンプル(3)

2 つのデータ群を使って散布図を作成してみると、片方の値が高くなるともう片方の値は低くなっていることが分かります。

COVARIANCE.S関数のサンプル(4)

別のデータを試してみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

COVARIANCE.S関数のサンプル(5)

先ほどと同じように取得した共分散の値を表示する F3 セルに COVARIANCE.S 関数を入力したあとで Enter キーを押すと、 F3 セルには次のように表示されます。取得した共分散の値は正の値で 0 に近い小さな値となりました。

=COVARIANCE.S(C3:C8,D3:D8)

COVARIANCE.S関数のサンプル(6)

2 つのデータ群を使って散布図を作成してみると、 2 つのデータに関係性があまりないことが分かります。

COVARIANCE.S関数のサンプル(7)

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Excel における COVARIANCE.S 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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