COUNTIFS関数:複数の条件に一致するセルの個数を取得する

COUNTIFS 関数は Excel で用意されている関数の一つで、指定した複数の条件に一致するセルの個数を取得します。 COUNTIF 関数では設定できる条件は一つだけですが、 COUNTIFS 関数では複数の条件を満たすセルの個数を取得できます。ここでは Excel における COUNTIFS 関数の使い方について解説します。

※ Excel の対応バージョン : 365 web 2021 2019 2016 2013 2010

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COUNTIFS関数の定義

COUNTIFS 関数は指定したセルの範囲の中から別途指定した複数の条件と一致したセルの個数を取得します。

COUNTIFS(条件範囲1,検索条件1,条件範囲2,検索条件2,・・・)

1 番目の引数に条件と一致するかどうかを調べるセル範囲、 2 番目の引数に条件を指定します。複数の条件を設定する場合は条件範囲とそれに対する条件の組み合わせを必要な数だけ記述してください。

少し分かりにくいので例を使って解説します。次のシートを見てください。

COUNTIFS関数の定義(1)

例として住所が "東京都" と一致し、年齢が "25よりも大きい" セルの個数を取得する場合で考えてみます。 COUNTIF 関数の 1 番目の引数には 1 番目の条件と一致するかどうかを調べるセル範囲を指定します。今回は C3:C7 を指定します。

COUNTIFS関数の定義(2)

COUNTIF 関数の 2 番目の引数に最初の条件を記述します。今回はセルの値が "東京都" と一致するか調べます。値が一致するかどうか調べる場合は単に "東京都" と記述します。( "=東京都" のように = 演算子を使って記述しても同じです)。対象の範囲の中でこの条件と一致するセルは次の 3 つです。

COUNTIFS関数の定義(3)

今回は複数の条件を設定します。 COUNTIF 関数の 3 番目の引数には 2 番目の条件と一致するかどうかを調べるセル範囲を指定します。今回は D3:D7 を指定します。

COUNTIFS関数の定義(4)

COUNTIF 関数の 4 番目の引数に 2 番目の条件を記述します。今回はセルの値が 25 より大きいか調べます。条件は ">25" と記述します。対象の範囲の中でこの条件と一致するセルは次の 3 つです。

COUNTIFS関数の定義(5)

複数の条件を設定した場合は、どちらの条件にも一致するセルの個数を取得します。今回の場合、 2 つの条件に一致するセルは次の 2 つです。

COUNTIFS関数の定義(6)

よって COUNTIFS(C3:C7,"東京都",D3;D7,">25") と実行した場合は結果として 2 を取得することができます。

演算子を使った条件の指定方法

COUNTIFS 関数では演算子を使って条件を指定することができます。セルの値が特定の値と一致するかどうか調べる場合は単に引数に値を記述するだけですが、数値の大きさを比較する場合には比較演算子を使って記述します。(使用できる演算子の詳細については「比較演算子と算術演算子の利用」を参照されてください)。

演算子記述例解説
="=東京都""東京都"と等しい
<>"<>東京都""東京都"と等しくない
>">10"10よりも大きい
<"<10"10よりも小さい
>=">=10"10以上
<="<=10"10以下

引数で指定した範囲のセルの値が特定の値と一致しているセルをカウントする場合には "=値" と記述します。これは単に "値" と記述した場合と同じです。逆に特定の値と等しくないセルをカウントするには "<>値" と記述します。

またセルの値が数値の場合、数値の大きさの比較ができます。例えばセルの値が特定の数値よりも大きいセルをカウントする場合は ">値" と記述します。セルの値が特定の数値以下のセルをカウントする場合は "<=値" と記述します。

COUNTIFS関数の使い方

それでは実際に COUNTIFS 関数を使ってみます。 Excel のシートに対象の数値を次のように入力しました。

COUNTIFS関数の使い方(1)

セルの個数を表示する D9 セルに次のような数式を入力しました。 COUNTIFS 関数の 1 番目の引数に最初の範囲として C3:C7 、 2 番目の引数に条件として "東京都" を指定します。 3 番目の引数に 2 つ目の範囲として D3:D7 、 4 番目の引数に条件として ">25" を指定します。

=COUNTIFS(C3:C7,"=東京都",D3:D7,">25")

COUNTIFS関数の使い方(2)

Enter キーを押すと D9 セルには次のように表示されます。

COUNTIFS関数の使い方(3)

2 つの条件に同時に一致するセルの個数を取得し D9 セルに表示しました。

ワイルドカードを使用する

COUNTIFS 関数では検索条件のところで * (アスタリスク)と ? (クエスチョンマーク)の 2 つのワイルドカードを使用することができます。

ワイルドカードはそれぞれ次のような意味を持ちます。

? は任意の1文字
* は任意の数の文字列

? は任意の 1 文字と一致します。例えば検索条件として "=A?" と指定した場合は "A" で始まりその後に任意の 1 文字が続く文字列と一致します。例えば "AB" や "A0" などです。

* は任意の数の文字列と一致します。例えば検索条件として "=A*E" と指定した場合は "A" で始まりその後に任意の文字列が続いたあとに "E" と続く文字列と一致します。例えば "APPLE" や "A74E" などです。

例えば検索対象の住所が「東京都」などではなく「東京都中央区」などのように入力されている場合で考えてみます。

ワイルドカードを使用する(1)

セルの個数を表示する D9 セルを選択し、次のように入力しました。 COUNTIFS 関数の 1 番目の引数に条件と一致するか調べる範囲として C3:C7 、 2 番目の引数に条件として "東京都" 、 3 番目の引数に条件と一致するか調べる範囲として D3:D7 、 4 番目の引数に条件として ">25"を指定します。

=COUNTIFS(C3:C7,"東京都",D3:D7,">25")

ワイルドカードを使用する(2)

Enter キーを押すと D9 セルには次のように 0 が表示されました。条件として "東京都" と記述した場合は "東京都" だけが記述されている場合にだけ一致するためです。

ワイルドカードを使用する(3)

そこで COUNTIFS 関数の 2 番目の引数をワイルドカードを使って "東京都*" に変更します。この場合は "東京都" から始まってそのあとに任意の数の文字列が続く文字列と一致します。

=COUNTIFS(C3:C7,"東京都*",D3:D7,">25")

ワイルドカードを使用する(4)

Enter キーを押すと D9 セルには次のように 2 が表示されました。

ワイルドカードを使用する(4)

このようにワイルドカードを使用することで、より柔軟な検索条件を記述することができます。

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Excel における COUNTIFS 関数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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